

32. オーストラリア(2019.8.9〜)
このページは「渡航歴」のレポートです。
( の写真はクリックすると拡大ウィンドウが開きます)
目次
今回のオーストラリア
前年に引き続き、子連れ2回目。個人的には6回目のオーストラリア周遊旅行です。
今回は、Top End(北端部)と呼ばれるノーザンテリトリー準州のダーウィンが起点。
ダーウィンは、日本からオーストラリアの玄関口になっても良さそうな場所ですが、この記事を執筆している時点で日本からの直行便はありません。
そこで、隣のクイーンズランド州の州都であるブリスベンで乗り換えて行きました。
ダーウィンとの間は国内線とは言うものの、フライトには約4時間。しかも時差が30分あります
このルート、地図で見ると分かりますが、結構な「遠回り」。
という事で、成田空港からダーウィンまでに機内で過ごす時間は片道12時間。...遠いです。
オーストラリアは広大な「大陸」である事を忘れてはいけません。
航空機代は成田−ダーウィン往復・3人で¥287,630(Qantas航空)。
前年はLCC(ローコストキャリア)のJetstarで、今回よりも飛行時間が短いケアンズまでの直行便が、これよりも10万円も高かったです。

走行ルートはこちら。(写真をクリックすると拡大表示されます)
2010年に周遊したルートをベースにして、カカドゥ国立公園に加えてリッチフィールド国立公園を新たに訪れました。
今回の総走行距離は概ね「東京〜九州」くらい。
移動内容は下表の通りです。
月日 | 走行距離 1,109 km |
到着地 | 給油 141.44 L |
燃料代 230.45 $ |
---|---|---|---|---|
8/10 | 24 km | Coolalinga | --- | --- |
8/11 | 230 km | Jabiru | --- | --- |
8/12 | 200 km | Cooinda | 47.82 L | 81.72 $ |
8/13 | 164 km | Pine Creek | --- | --- |
8/14 | 144 km | Batchelor | 53.11 L | 89.22 $ |
8/15 | 131 km | Wangi Falls | --- | --- |
8/16 | 145 km | Berry Springs | --- | --- |
8/17 | 66 km | Hidden Valley | 40.51 L | 59.51 $ |
8/18 | 5 km | Darwin | --- | --- |
気候について。
「南半球だから8月は冬?」と質問を受ける事がよくありますが、今回訪れたエリアに関して大雑把に言うと「一年中温暖」。
緯度としてはタイと同じくらいで、雨季と乾季での降雨量と湿度がまるで違うのが特徴。
乾季は5月〜9月と言われ、8月は正にベストシーズン。
朝は20℃を下回る涼しさで、昼間は毎日カラッと晴れて気持ち良く暑く、最高気温は31〜33℃とか。
一方で緯度の違うシドニー、メルボルン、アデレード、パースなどの各都市は、天気予報などを見る限り、寒い「冬」の気候です。
滞在中の為替レートは、クレジットカード利用時で1AUD(オーストラリアドル)が74円前後。
ちなみに、レンタカーなど先行で3月に支払った時のレートは約80円、前年の旅行の時は82円前後でした。
現金は前年の持越しがあったので、両替レートはチェックしていません。
今回の旅行で現金を使ったのは、洗濯機2回、缶ビール1本、そしてレセプションのない国立公園内のキャンプ場料金の支払いしかありませんでした。
キャンパーバン

旅の主役。初のトイレ&シャワー付きのモーターホーム。
過去6回の中では最大の車格ですが、慣れてしまえば運転しやすく、長身の私でも見晴らしが良く、極めて快適な運転席でした。
料金は、8泊9日で¥175,299(2,189 AUD)。
車両損壊に対する保険(45〜55AUD×日数)には加入しないで、この価格。
この「掛け捨て保険」に加入しない場合、保証金として¥564,830(7,500 AUD)という大金を一旦支払って、無事に帰還すれば全額が返却される、という形になります。
そもそも車のグレードがまるで違うものの、あえて料金「だけ」で比較すると、格安だった前年は6泊7日で総額約¥77,500。(934.00 AUD)。しかもこの料金には、フルカバーの保険代や休日料金も含んでいたので、今回の旅行では車に関しては前回と比べてかなり投資した形になっています。
メーターが示す総走行距離は96,526kmで、内装は比較的キレイでした。
ちなみに前年借りた車は、なんと374,890kmで、ひどくオンボロ。
予約は、2007年と2011年にも利用したBritzのウェブサイトで、3月に「DISCOVERY」という車種を予約。
2月中旬(=6ヶ月より前)までに予約すれば、早割が適用されたのですが、準備が間に合わず。
で、実際に配車されたのは、Mauiという別のブランドの「CASCADE」という同じ車種。
後で調べてみたらBritz・Maui・mighty・KEAの各ブランドはthl という会社に運営が統合されたようです。
今回利用した「DISCOVERY」(=CASCADE)を、前年の旅行で「実際に利用した」(=契約とは異なる)車種の[Paradise]という車種との比較は下表の通り。
車種 | 基本料金 | 全長(m) | 全幅(m) | 全高(m) | 室内高(m) |
---|---|---|---|---|---|
DISCOVERY | $ 249. 00 / 日 | 6.60 | 2.34 | 3.40 | 2.06 |
Paradise | $ 184. 29 / 日 | 5.60 | 1.89 | 2.80 | 2.10 |
「全長」は、もはや普通車のエリアには停められない寸法と言えます。従って駐車する際は大型車用のエリアに堂々と停める形になります。
「全幅」は、カーブなどは走行車線のカーブを「なぞる」ようなハンドル操作、という感じ。左右のサイドミラーがとても張り出しているので、同じような車と並べて駐車する時は接触に注意が必要でしたが、それ以外は運転が難しいとか怖いとかのストレスはあまり感じず、むしろ大きな車を運転しているという楽しい感覚でした。
「全高」は、慣れるまでに一番時間がかかりました。運転席から見て「大丈夫だろう」と思っても、全然ダメだったりします。この「3.4m」という全高は、油断大敵で、普通車しか運転経験が無い人にとっては「相当」な高さだと感じました。
エンジンはディーゼル。実測燃費は7.8km/L。燃料タンク容量は75L。
昨年利用したガソリンエンジンの車よりも車格は大きいですが、燃料消費は少ないです。
以下、今回利用した車の詳細レポートです。
(下の写真をクリックすると説明付きの拡大写真が開きます)


















この車の最高速度は110km/hまでと指定されています。
したがって、最高速度が130km/hのスチュワートハイウェイでは、後から追い付いてくる車を多少気にしながらの走行になります。
でも「快適さ」で言うと、80km/h位までの走行が良いです。
なぜかというと、走行中の振動による車内(特にキッチン回り)の騒音が思いのほか激しいから。
このあたりは、居住空間が一体となっているキャンパーバンの宿命のようです。
未舗装路の走行なんて論外だし、実際のところレンタル契約上も「不可」になっていて、契約書に具体的な禁止ルートの記載もあって、同意のサインが必要です。
今回周遊したエリアは、未舗装路でしか行けない魅力的なスポットが色々あって、そこは悩ましいところですが、広くて快適な室内での停泊を優先させた結果なので、仕方ありません。
ちなみに、過去に借りた未舗装路も可能なキャンパーバンは、
コレ
とか
コレ
とか
コレ
のような感じ。
キャラバンパーク
今回のキャラバンパークは下表の通りです。
個人評価は今回の中での相対的なもので、利用した日の混雑具合、個人の好みも評価に含まれています。
最初の3か所は2010年に利用した事があるパークです。
地名 | キャラバンパーク | 宿泊日 | 料金 | 個人評価 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | Coolalinga | Tourist Park | 8/10 | 35.00 $ | ★★★ |
2 | Jabiru | Kakadu Lodge | 8/11 | 58.50 $ | ★★★★★ |
3 | Cooinda | Campground and Caravan Park | 8/12 | 60.78 $ | ★★★ |
4 | Pine Creek | Lazy Lizard Caravan Park | 8/13 | 35.00 $ | ★★★★ |
5 | Batchelor | Holiday Park | 8/14 | 66.00 $ | ★★★★ |
6 | Wangi Falls | Campground | 8/15 | 15.40 $ | ★★★★★ |
7 | Berry Springs | AAOK Lakes Resort & Caravan Park | 8/16 | 36.00 $ | ★★★★ |
8 | Hidden Valley | Holiday Park | 8/17 | 58.87 $ | ★★ |
今回も日本で予約を取れる所は全て取っておきましたが、2ヶ所は予約不可(または不要)のサイトでした。
各キャラバンパークの様子は以下の通りです。(各、写真2枚ずつ)
















スマートフォンの活用
心身の休暇という観点では、スマートフォンなどを使わない「デジタルデトックス」も魅力に思えますが、「自力の家族旅行」においては活用のメリットの方が格段に大きいので、フル活用しました。
何と言っても、地図(=ナビ)・カメラ・電話の機能が片手に収まる便利さは、利用しない手はないとも言えます。
今回の現地での通信は、15.00 AUD(半額)でデータ通信最大35GB、国内通話無制限、有効期間28日間のプリペイドSIMカードを、自分のスマートフォン(iPhone 7)に入れて使用しました。
どのように活用したかは、以下のとおりです。






前年の子連れ旅行も同様でしたが、10日間に及ぶ旅程の準備や調査を、数か月間に渡って細切れにやっていると、計画を立てている当の自分ですら、予定の全体を把握する事はかなり困難です。
そもそもこの旅行の目的は「休暇」なわけで、これを見失ってはなりません。
しかし現実には、車の運転を含めたツアーコンダクター役も担うわけで、自分にとっての「旅行ガイドブック」が欲しくなります。
だって、現地では余計な事を調べたりせずに、ゆっくり「休暇」を過ごしたいですから。
そこで今回の旅行には、例年通りのインターネットの活用に加えて、「Microsoft OneNote」というアプリを活用してみたのですが、これがかなり便利でした。
色々な情報にアクセスできるように作っておけるし、常に最新版を共有できるのもグッド。
今回の旅行で活用したアプリは次のとおりです。
アイコンをクリックするとApp Storeのサイトに飛びます。

グーグルマップ。携帯電話が「圏外」(または未契約)でも、端末のGPSは活きているので、オフラインマップとして地図データーを予めダウンロードしておけば、現在位置の確認やルートナビに使えます。

グーグル翻訳。これもオフラインで使えます。特にカメラ入力による翻訳機能は、ちょっとした英語の看板やメニューの意味を知るのに便利。

OneNote。これがかなり便利でした。
色々な情報にアクセスできるように作っておけるし、常に最新版を共有できるのもグッド。

利用したレンタカー会社が運営するthlのマップアプリ。現地でのガソリンスタンドや店の検索や、事前準備でのキャラバンパークや見所の検索など、各目的に応じた地図上の検索やピックアップにとても便利でした。
サンドフライについて
前年のレポートでも触れましたが・・・コレを甘く見てはいけません!ホント。
今回は「ビーチと熱帯雨林には行かないし、前年ほどではないだろう」と思ったけれど甘かった(悔)
今回は、旅程の終盤になって、ビーチでも熱帯雨林でもない公園で一気にヤラレました。
どうやら、奴らの事と対策をもっと知る必要がありそうです。
…ということで下記をご覧あれ。





思い出、諸々
(巨大アリ塚)
以下、その他の写真です。
これらの写真は、「オーストラリアのキャンプ旅行の楽しさ」や「次に行く時に参考になりそうな事」を中心に、あくまでも主観的な基準でにピックアップしたもので、いわゆる「観光スポットの紹介」とは趣が異なります。


















総括
前年のようなトラブルはなく、日程も長めで、天候も良く、車も豪華で、とても楽しかった!
それに加えて感じた事。
さすがに6回目ともなると、気苦労や心配事が減る代わりに、正直なところ「旅の感動」は確実に少なくなってきたのが否めない、という事。
再訪問した場所やルートについては、「9年振り」というわりには感動は得られなかったし、それよりも、初めての場所や新しい事で楽しく過ごせた事の方が、印象的でした。
このようなキャンピングカーでのオーストラリアの周遊旅行は、例えば老若男女を問わず安心して行ける「ツアー旅行」とは言うまでもなく対照的なもので、得られる感動のレベルに関しては格段に上だと思います。
その「格別な感動」を他の人にも味わって欲しくて、身の回りの「興味がありそうな人」に、このような旅行のスタイルを勧めた事が何度かありますが、興味よりも不安の方が勝ってしまうのか、どの人も実行にはなかなか至らないようです。
でもその一方で、もし自分が他の人から、例えばアメリカやヨーロッパでの同様の周遊旅行を勧められたら、と考えてみると...。
...左ハンドル車での右側走行、時差に対する体調管理、英語が通じない場所に対する不安・・・たしかに、そう簡単に実行には移せない自分がそこにいました。
そう。
安心と感動は、相反するものなのです。
オートバイで日本全国を周遊した経験からも似たような事が言えます。
「寒い時期に凍えながら辿り着いて入る温泉ほど格別なものはない」、みたいな。
さて。
安泰を取るか、さらなる感動を求めてチャレンジするか。
はたして...(っていうか、次回はあるのか?)

