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ドライブチェーンについて

新車時

納車された直後の写真です。ドライブチェーンもスプロケット(歯車)もピッカピカ。この気持ちの良い状態をできるだけ長く維持したいものです。

約30年ぶりに新車での購入となったこのCT125・ハンターカブ。チェーンのメンテナンスは正しく継続的に実践しよう!と決意を新たにしました。
ところが今までは無頓着&億劫で苦手に感じてしまっていたのも事実。
そして、最適なメンテナンスを追及してみると、これがまた試行錯誤の連続。
そんな中で考えた事などを書き残しておきたいと思うようになりました。

目次(クリックするとその項目にジャンプします)

  1. メンテナンス(=維持管理)
  2. チェーンと潤滑剤のタイプについて
  3. いざ、実践!
  4. 考察と試行錯誤
  5. その他
  6. ここまでの総括(2022.11時点)
  7. ドライタイプに変更(2023.06)
  8. 点射タイプ・再び(2023.10)
  9. ここまでの総括(2024.06時点)
  10. 未知の領域(2025.03時点)

メンテナンス(=維持管理)

ドライブチェーンは給油によるメンテナンスが必要です。
特に、CT125・ハンターカブのような小排気量車に標準で装備されているドライブチェーンはそうです。
その給油の頻度は、メーカーの推奨では「500km走行毎(または雨天走行後)」となっていて、さらに給油2回おきに1回のクリーニングと、給油後の余分な油の充分な拭き取りが推奨されています。

新品のドライブチェーンには、半固体状の潤滑剤であるグリースが内部にまで塗られて組み上げられているので、動きは静寂でとってもスムースですが、地面に近い位置に晒されて激しく回転し続けるうちに、グリースは徐々に失われていき、新品の時の滑らかさは損なわれていきます。

給油箇所

給油すべきと箇所は、この写真の黄色で示した4箇所。ローラーの内側、および内と外のプレートが重なり合う部分に潤滑剤を浸透させたいわけです。

ちなみに、CT125・ハンターカブのドライブチェーンは108コマなので、写真で示した潤滑剤を浸透させるべき場所は4×108で432箇所(!)になります。

さて、どうするか?
そもそも、半固体状のグリースをここから中に浸透させるのはほぼ不可能なので、液状の潤滑剤を使う事になります。
一般的によく紹介されているのは、スタンドをかけて浮かせた後ろタイヤを回し、連続的に動いているチェーンに向けてスプレー式の潤滑剤を「シューッ!」と連続的に吹き付ける方法です。
私もCT125・ハンターカブでの初めてのチェーンメンテナンスの時まではそうしていました。

しかし、なのです。
シューッと吹き付けて終わらせると、その潤滑剤が走行時に飛散して激しく車体が汚れます。
これがとても嫌なんです。
そこで、余分な潤滑剤を充分に拭き取る事が重要なのですが、チェーンの入り組んだ構造の理由で、これが結構大変だったりします。

つまり。
キレイな外観の維持と充分な給油を両立させようとすると、これが意外と手間がかかり、そして難しい。

チェーンと潤滑剤のタイプについて

まず、ドライブチェーンの方。
これには「シールチェーン」と「ノンシールチェーン」の2つのタイプがあります。
「シールチェーン」とは、チェーン内部に塗られたグリースを封じ込めるために、このように一コマづつにゴム製のOリングのようなシール材が組み込まれた対策が施されています。
私が3台目に所有したトランザルプ400Vは「シールチェーン」が標準装備でしたが、小排気量のCT125・ハンターカブの標準装備は「ノンシールチェーン」です。

次に、潤滑剤の方。
チェーン専用の潤滑剤は「チェーンルブ」とも呼ばれます。
色々な種類が販売されていて、大抵が「シールチェーンにも最適」などと銘打っています。

…ん?待てよ。
シールチェーンでは内部のグリースが漏洩しなように封じ込められているわけだから、外から吹き付ける潤滑剤が内部に浸透することもないわけで、シールチェーン用の潤滑剤はゴム製のシール材の保守に必要である一方で、ノンシールチェーンで徐々に抜けてしまう内部のグリースの補充の代わりとして適しているんだろうか?
しかし、ノンシールチェーン用と銘打ったチェーンルブって、なかなか見つかりません。

この話は、その昔(1980年代)に同じくノンシールチェーンだったCB125Tで、初めてのスプレー式の専用チェーンルブを使用した時の事。
タイヤを空回りさせてチェーンを動かしながら「シューーーッ」とたっぷり吹き付けてみたら、糸を引く強烈なネバネバ状態になって、大変なことになってしまいました。

ドライタイプ

そこで、次からは「ドライタイプ」に変更しました。このタイプのチェーンルブはフッ素樹脂が配合されていて、「糸を引くネバネバや飛び散り」はありません。

このドライタイプのチェーンルブは、CT125・ハンターカブでも初めてのメンテナンスの時に使いました。
で、その時の状態を見て、改めてまた色々と考えました。
ノンシールチェーンの給油メンテナンスで私が目指しているのは、ローラーやプレート間などの「内側」に潤滑剤を浸透させること。…という事は、先程の写真で白く残留している潤滑剤は、潤滑目的としては不要であり、飛び散りにくいとは言っても、外観をキレイにするには全て拭き取る必要がある、と。

点射タイプ

そこで新たに試し始めたのが、スプレー缶ではなく、このようなスポイト状のもので「点射」するタイプ。写っているスポイトは付属の簡易的な品ではなく、ノズルが金属で使いやすい別の品を流用。

このチェーンルブはドライタイプではなく、ネバネバ糸を引くようなオイル状のタイプなので、ドライタイプよりも給油後の飛散による汚れは起きやすいと思います。
だから、給油後の拭き取りは特に怠ってはいけないわけですが、外観をキレイに保つという私の観点では、ドライタイプでも拭き取る作業の手間は同じなわけです。
であれば、ノンシールチェーンの給油すべき箇所を考えると、それが432箇所という数であろうとも必要な場所だけに給油する方が理に適っていると思えたからです。

さらに、ロングツーリングの際の携帯性という点でも良さそう、とも思いました。実際にロングツーリングに行けるかは別にしても、何せ500km走行毎または雨天走行後の給油が推奨なので、本当にロングツーリングに行けることになったら、出先でのメンテナンスを行う可能性が高く、それに備えて普段から使って慣れておきたい、という気持ちもありました。

ちなみに。
一般的な用途のシリコン系の潤滑剤スプレーは、手軽ではあるものの適しません。 これは潤滑剤の一種ではあるものの成分が石油溶剤なので、もともと塗布されているグリース類を溶かしてしまいます。そもそもシャバシャバしているので、強い遠心力が生じるチェーンに対して潤滑効果の持続が期待できません。

いざ、実践!

よし♪

  • 給油すべき箇所は分かった!
  • 給油に適したタイプのチェーンルブも決まった!
  • 給油後の拭き取りは徹底的にやる!(防錆効果だけを残す程度まで拭き取る)
  • 給油メンテナンス後は走行時のチェーンの音が殆ど聞こえず、本当に(×10)気持ち良いです!
    この快感は、面倒な給油メンテナンスを継続するモチベーションに充分に値します。

    …しかし。なのです。
    最大のネックは、給油メンテナンス後の走行による潤滑剤の「飛散」。
    これを執筆している時点(2022年11月)までに約1.5年間、20回以上の給油メンテナンスの中で何度も試行錯誤と手間を重ねるものの、この飛散をゼロにする事は達成できず…。

    ホイールへの飛散

    例えばこういう感じ。これでも「かなり」飛散が少なくなった方なのですが、ホイールに飛散した潤滑剤が点在しています。
    スポークも1本ずつ拭き直しです。

    この給油メンテナンス後の実走行による潤滑剤の飛び散りは、その後にダラダラと続くものではなく、充分な速度で近所を一回りしてくれば、それ以降は飛び散りません。
    だから楽観的に考えれば、最初の走行で飛び散った分をキレイにする、という段取りにすれば済む話なのかもしれません。

    しかし!
    給油メンテナンス作業は、普段よりも一歩踏み込んだ分解清掃を実質的には兼ねています。つまり、その分解清掃でキレイになった「直後」に最も汚れる事になるので、これは憂鬱なことなのです。

    そして、「最初の走行で飛び散らしてしまえば良い」と言えない事情は他にもあります。
    それはなにか?
    走行時のチェーンからの潤滑剤の飛散は、主に遠心力によるものである事は容易に想像できますが、現実的には遠心力とは違う方向にも飛散が生じます。

    ホイールハブへの飛散

    例えばこの写真、良く見るとチェーンの右隣のエリア(ホイールハブ)にも飛散した潤滑剤が見えます。そしてさらに右側にはブレーキディスクがあります。

    …そうです!!
    飛散がブレーキディスクにまで及ぶと、後輪ブレーキは「全く」効かなくなります。
    これはもはや、最初の走行後にもう一度拭き取ればい良い、という話では済まないのです。
    (後輪ブレーキは、低速旋回時の姿勢制御に重要で、効かないと不便)

    だからやはり、給油メンテナンス後の飛散を如何にして減らすか、が最大の課題なのです。

    考察と試行錯誤

    潤滑剤の点射による給油(432箇所)と、その後の徹底的な拭き取り作業は、いずれも根気を要する作業です。

    チェーンカバー取り外し

    そのために、このようにチェーンカバーを外すだけでなく、このタンデムステップも外して作業に臨みます。

    作業手順として楽なのは、点射による給油をチェーン「全周」で済ませてから、同様に「全周」に渡って徹底的に拭き取る方法です。
    でもこの場合、余剰の潤滑剤が付着したままのチェーンが前後のスプロケット(歯車)に触れて、スプロケットにも潤滑剤が付着します。つまり、後でチェーン全周に渡って拭き取り作業をしても、スプロケットに付着した潤滑剤が再びチェーンに付着します。
    一度、直射日光の下で観察してみたのですが、スプロケットからチェーンが離れる時に、そこに付着していた潤滑剤がビローンと糸状に伸びる様子が分かりました。
    そしてこれは推測ですが、これが遠心力とは別の方向への飛散(横にあるブレーキディスクなどへの飛散)の要因ではないか、と思うのです。

    そこで、潤滑剤を点射したら、その部分のチェーンがスプロケットにかかる前に拭き取るようにして、それを何回も繰り返す事にしました。
    チェーンカバーやタンデムステップは取り外しているものの、リアサスペンションも邪魔になったりして、1回当たりの点射は14コマ分程度にも満たない程度であり、さらなる手間と根気を必要とするものの、スプロケットへの付着はかなり低減できるようになりました。

    さらにもう一つ。
    チェーン給油後の拭き取り作業の手順説明として良く目にするするのが、チェーンをウエスで掴むようにニギニギと拭き取る様子。しかし、それだけでは不十分であるという事が、後になって良く分かってきたりもしました。
    少なくとも点射タイプのチェーンルブを使用する私の例の場合、ウェスの隅を細く結って、それを隣り合うローラーの間に通してコシコシと拭くこと。この108コマ分の作業もとても重要です。
    この「ニギニギと掴むように拭いても取れない場所」(=各プレートの内側)に余剰の潤滑剤が結構残っているのです。

    ドリブン側カバー取り外し

    ちなみに、作業はエンジン側(ドライブ側)のスプロケットカバーも外して行っています。仮に汚れていても見えない場所だけれど、ここの余剰な潤滑剤も拭き取りる必要があるので、こうして外しています。

    以上、チェーンの給油メンテナンス作業には約2時間を要します。

    これらの試行錯誤により、給油後の飛散は当初よりはかなり改善されましたが、それでも最初の走行で「若干の飛散」は発生します。
    もしかしたら一旦はチェーン内部に浸透した潤滑剤の一部が、走行時の強烈な遠心力で多少は出てくるのかもしれません。
    浸透しやすい潤滑剤ほど、過剰な分は出てもきやすい…?
    これが真実だとすると、それを走行前に完全に拭き取る事は無理な気もします…。

    走行後の飛散の程度が、ブレーキディスクにまでは影響が及ばず、ホイールとスポークを軽く拭き取れば済む程度であれば、合格範囲なのかもしれません。

    その他

    「チェーンの給油は走行直後が良い」とよく言われています。これはチェーンが暖まっている時の方が潤滑剤が浸透しやすいからです。
    実際のところ、少なくとも点射タイプのチェーンルブの場合、気温によって粘性が明らかに違うので、寒い時期にはチェーンルブを湯煎などで温めて粘性を下げておく、という事もやってみました。(スプレータイプではできない小さなメリットかも?)
    一方の暑い時期は、粘性が下がってシャバシャバになるので給油作業は楽ですが、寒い時期よりも抜けやすい…「かも」?

    「給油後の走行は翌日にする」など、給油後はしばらく静置した方が飛散が少ないという説明も時々耳にしますが、この点射タイプのチェーンルブでの私の経験においては、仮に走行を1週間後にしても飛び散るものは飛び散る、というのが私の見解です。(そういう効果が期待できるチェーンルブのタイプもあるとは思います)

    あと、洗浄(クリーニング)の事。

    クリーニング

    やりやすいからとスイングアームの上側で行ったら、作業後にスイングアームを拭き取ったら塗装の光沢が失われてしまいました(悲)。クリーナーの有機溶媒のせいだと思います。

    クリーニング

    そこで、作業が多少やりにくくてもクリーナーによる洗浄はスイングアームの下側でやった方が良さそうです。そしてこの写真のように、段ボールなどによるタイヤの養生は必須です。

    クリーニングは給油の2回に1回の実施が推奨されていますが、そこまで実践していません。見た目や走行状況からの自己判断もありますが、正直なところ作業が大変だからという理由もあります。
    スプレー式のクリーナーと付属のブラシでキレイにする作業自体は、給油の作業よりも簡単ですが、洗浄後の給油の前にクリーナーを乾かすまでの時間が負担に感じてしまうのです。
    せめてもの対策として、未舗装路や濡れた路面の走行をできるだけ避けるようにしています。

    ここまでの総括(2022.11時点)

    純正のノンシールチェーンの価格は¥3,500程度。
    そして交換目安は「良好な整備状態において約5,000km走行毎」と言われています。
    冷静に対価で考えると、これほどまでにメンテナンスに手間を掛けずに、積極的に新品に交換してしまうという選択肢もアリ…とも言えます。

    その一方で。
    この記事の執筆時点で、走行距離は9,600km。
    素人判断ですが、交換の必要性はまだ感じずにいます。
    雨天時や未舗装路の走行は基本的には避けていて、使用環境は比較的穏やかだと思います。
    摩耗によるチェーンの伸び具合に関しては、整備記録によると、張り調整用の六角ナットは新車当時から1回転(360°)させた程度。

    …ということで、ひとまず標準で装備されている安価なノンシールチェーンについては「できるだけ長持ちさせる事」を目標にしたいと思います。

    そして、いずれ迎える交換の時、@「純正のノンシールチェーン」にするか、A「高級なノンシールチェーン」にするか、それともB「シールチェーン」にするか…。
    これはその時点での状況にも応じて柔軟に考えていこうと思います。
    2台目に所有したCB125Tの時に、純正品で15,000km程使った後にシールチェーンに交換した経験があるけれど、「3倍以上の価格だったけれど体感できるほどの差はなかった」と自分で記していて、その後15,000km程使った後に再び¥3,000のノンシールチェーンに戻しています。
    もちろんその時の使用状況とメンテナンス状態は今とは違いますが、安いノンシールチェーンでも正しくメンテナンスして気持ちよく長く使う、という方針は自分としては合っている気もしたりします。

    ドライタイプに変更(2023.06)

    2023年5月に総走行距離12,305kmの段階で、従来通りの点射タイプのチェーンルブで給油と徹底した拭き取り作業を実施するも、その後の走行時でタイヤやホイールなどへの飛び散りが多めでした。
    どうにも、やはりこれが気になってしまう。
    まだ作業に不慣れだった頃と比べれば飛び散りは少なくなってきたものの、気候が暖かくなってルブの粘性が低くなったからのか、それとも何回か前からはチェーンルブを別メーカーの点射タイプに変えたからなのか。
    理由は分からないけれど、とにかく丸2年振りに「ドライタイプ」を再び試す事にしました。

    さて、最も気になる走行後の飛び散りは…
    なんと「無し」!

    作業の手間性は点射タイプのチェーンルブを大して変わらず。
    むしろ、スプレー式なので、点射タイプでは生じない「塗布の段階での飛び散り」もあって、チェーン以外の部分も拭き取り作業も必要になってきたりします。

    でも、なのです。
    そのメンテナンス作業が終わって掃除して組み上げた後の走行では汚れない。
    これは楽です!!

    ホイールハブへの飛散

    この写真は、ドライタイプの塗布後、一コマずつ拭き取った「後」の状態です。正直、今までの点射タイプの時と比べて「キレイではありません」。

    使用しているウェスが良くないのか、拭き取りは意外と難儀します。これについては今後の改善を試みるとして、次のようにも言えると思った次第です。
    それは、「点射タイプは無色なので、見た目にはキレイに拭き取ったつもりでも、実はこの写真の様に残っていたのでは?」という事。

    つまり、この段階での選択肢としてはこうです。

  • チェーンの外観はキレイだが、最初の走行で飛び散ってタイヤなどが汚れる
  • チェーンの外観はイマイチだが、その後の走行の飛び散りによる清掃からは開放される
  • この場合は、後者かな、と。
    当面はドライタイプを使って、また考えていきたいと思います。

    執筆時点で総走行距離は12,821km。新車の時に装備されていた純正チェーンは、今でも動きは滑らかで軽やかです。
    過去の車歴から、15,000km位まで使えれば大満足かなぁ、と思います。

    点射タイプ・再び(2023.10)

    チェーンルブ

    ドライタイプのチェーンルブの使用を中止し、この使いかけの点射タイプのルブを再び使う事にしました。ドライタイプの使用は約5ヵ月間。その間の走行距離は2,300km、使用回数は6回、洗浄回数は0回でした。

    そもそも点射タイプからドライタイプに変えた時の理由は、給油後の走行時にルブの飛び散りが無いから。その代わり、チェーン外観の仕上がりの悪さは妥協することにしたわけです。

    ところが!
    使用を繰り返すにつれて、ルブがチェーンに浸透していない感じというか、給油メンテナンスをしてもすぐに「油切れ」のような感じがしてきたのです。
    チェーンの外観も、白い粉を噴いたような汚い状態でカラカラに乾いた感じ。
    給油&拭き取り作業には、従来同様に約2時間の手間をかけたにも関わらず、です。
    これは、「走行時に飛び散るかどうか」そして「外観の仕上がりの良し悪し」という事よりも、根本的な由々しき問題であります、当然のことながら。

    そこで、まずは…

    洗浄作業

    久しぶりの洗浄メンテナンスです。ちなみに使用したクリーナーは洗浄性能のために、なかなか乾かないようになっています。心境としては早くクリーナーが乾いて給油をしたいのですが…。

    この洗浄メンテナンスの後に2〜3時間待ってから、約5ヵ月ぶりに点射タイプによる給油に取り掛かりました。
    …おぉ〜!
    スポイトを用いた点射による給油の場合は、スプレー式のドライタイプように勢い余って飛散することがないので、とてもやりやすい♪ 
    点射したルブがチェーンのローラーやピンの隙間にスーッっと吸い込まれていく様子も気持ちが良い。
    そして何よりも、仕上がりがキレイ!

    (写真をクリックすると、各写真に対する解説付きの別ウィンドウで順番に見る事ができます。)

    ドライルブによる汚れ ドライ、洗浄前 拭取り準備 洗浄、点射給油後 飛び散り状況・ホイール 飛び散り状況 飛び散り状況・ドライブスプロケット 40km走行後 走行後の拭取り

    この記事の執筆時点で、総走行距離は約15,000km弱。
    新車の時に装備されていた純正チェーンは、場所による「伸びの偏り」が生じている様子もなく、給油後の動きは滑らかで軽やか。
    自分の経験からの「15,000km位が寿命説」は、まだ更新できそうです。

    それにしても。
    なんだかこの取り組みって、「標準装備」(=安価で低いグレード)のチェーンを、メンテナンス次第でどこまで長持ちさせられるか、というチャレンジ要素が加わってきた感があります(笑)。
    走行による飛び散りを更に抑える改善策を引き続き模索していきます。

    ここまでの総括(2024.06時点)

    新車の時から装着されている純正のドライブチェーンは、3年間・17,000kmを超えました。
    異音はなく動作はスムース。バイク屋の点検でも「問題なし」と診断されたので、あと5,000km位(≒次のタイヤ交換まで)は維持したい欲が出てきました。
    その一方で、「伸びの偏り」(=チェーンの場所によって遊びが異なる)の兆候が出始めたようにも思うので、次回のメンテナンスではチェーンだけでなく、スプロケットの摩耗具合を簡易ゲージでチェックしてみようとも思っています。

    ひとまずこの段階で総括を書き残す事にしたのは、最後の給油作業後の走行時のリアホイールへの飛び散りが「ついに!」無くなったからです。
    点射タイプのチェーンルブを使用して以降、この「走行時の飛び散りの根絶」を目標に試行錯誤を重ねてきましたが、ようやく完成の域に達したようです。

    そこで、その作業内容を動画にまとめておくことにしました。

    ちなみにこの動画には、バイク屋での整備点検の際に塗布されたドライタイプの白いチェーンルブがチェーンに残っていますが、これが嫌でドライタイプのチェーンルブの使用を止めたのは前項に記した通りです。

    撚った布8本でチェーン内側を二度拭きする事などは以前から実践していましたが、改良点として、ゴシゴシとローラーを回してローラー内部に油を浸透させるイメージで擦るのではなく、ローラーとピンの隙間部分に布をしっかり押し当てて余分な油を「吸い出す」ようなイメージで行ってみたところ、走行後の飛び散りが無くなったように思います。
    たしかに考えてみると、給油作業でチェーンのローラーやプレートの隙間に「スーッ」と吸い込まれていった油は、ゴシゴシと擦るよりも、隙間に布を当てて吸い出すようにした方が理に適っているようにも思います。

    ずっと目標にしてきた「キレイな外観の維持と充分な給油の両立」は達成できたように思います。
    次は「作業時間の短縮」または「作業の簡素化」に改善の余地が残っていないかを考えていきたいです。
    ちなみに、2代目の点射タイプのチェーンルブをそろそろ使い切るので、その次は別メーカーの点射タイプを試す予定でいます。

    未知の領域(2025.03時点)

    丸4年間・21,000kmを超えました。
    ドライブチェーンは、まだこのハンターカブの購入時に装着されていた純正品のままです。
    ノンシールタイプの使用期間の最長記録としては「未知の領域」に入っていますが、まだ交換せずに使用を継続する事にしました。

    以前に乗っていた同じ排気量のCB125Tでは、走行距離15,000km位で交換が必要となっていました。
    ただ、あの頃は、このような徹底した給油は行っていなかったし、雨天走行もあったりしたので、比較するには条件が違いすぎます。

    妥当な比較条件が無いものの、少なくとも現時点でのドライブチェーンの動きは、まだ静寂でスムース。
    でも、多少の「伸びの偏り」(=タイヤの回転位置によってチェーンの張り具体が少し違う)は気にはなる。
    ちなみに、張り調整のナットは、累計で「2周と90°」回している状態。

    そのような状況の中、2回目の24ヶ月点検を控え、リアタイヤ(=後輪)の交換時期も近づいてきたので、バイク屋に預ける手間と作業工賃を考えると、そのタイミングでドライブチェーンも交換してしまった方が良いのかも?(最長記録は充分に更新したし)、と考えるようになりました。

    …という事で、バイク屋の意見を聞いてみました。
    その結果、

    「この状態で交換するのはもったいない」

    …とのコメント。
    これはとっても嬉しかったです。(…よっしゃ♪)

    ところで。
    チェーンルブ(潤滑剤)には、現在はエーゼット社のMoc-001という品を使用しています。
    これ、なかなか良さげです。
    給油作業をして約500km走った後の走行時の音が、以前の2銘柄のチェーンルブの時と比べて抑えらているように感じます。

    給油作業後の走行時の飛び散りは、厳密に言えばゼロではありません。
    最も強い遠心力が発生しているであろうドライブスプロケット(=エンジン側の歯車)のカバーの内側と、チェーンカバーの内側などには「若干」の飛び散り跡はあります。
    しかしこれらは、ずっと課題となっていた後輪への付着ではなく、少なくとも「走行後に再度の拭き取り作業が必要」という憂鬱な事態にはなりません。
    これはすでに前項で触れた通りで、「満足の域」にあります。



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