

大型自動二輪免許・教習の実施内容(レポート)

ここでは、各教習内容別のレポートをまとめてあります。
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目次(クリックするとこのページの各項目へジャンプします)
適性試験

前職を離れて有給消化の初日。平日の月曜日の朝です。気分は新鮮♪
教習所は空いててガラガラ。平日っていいなぁ。
入所手続きの後、まずは「適正検査」というものを受けました。
「試験」と言っても何かの合否に関わるわけではなく、自分の性格や能力(機敏性や判断力など)が判定されるわけです。
試験項目は以下の通りでした。各項目を2〜3分の制限時間内にこなしていきます。
- 横並びに書かれた6桁の数値が同じなら○、違えば×と答える
(例;234699_234599 答えは×) - 三角形を出来るだけ速くたくさん書く(ただし慌てて描いて円になってはいけない。)
- 1cm四方の枠内に斜線を出来るだけ速くたくさん書く
- 2つの輪の重なり具合が同じ図形だけを選ぶ
- 2〜3桁の引き算を行う
- 類似する図形の中から特定の図形以外に斜線を引く(<最も疲れた項目)
- 性格診断(「思い通りにいかないとイライラしやすいと思う」などの質問 50問)
試験結果は後で本人に通知されます。
重大な交通事故が発生した場合に公安委員会から教習所にこの試験結果の開示を求められる場合があるらしいですが、目的は今後の事故防止であって裁判等で不利になることは無い、との事です。
合否には関係のない試験とはいえ、結果は体調(例えば寝不足や二日酔いなど)に左右されると思うのでナメてはいけません。全力で望んだら結構疲れました。
第一段階 その1

いよいよ750ccのオートバイによる練習の時間の始まりです。
しかし天気は雨。雨の乗車は嫌いなので、ちょっとトーンダウン…。
外にある二輪教習用の待合室(写真)に集合です。
教習ではゼッケンと、肘と膝にプロテクターを装着して行います。雨の場合はさらにレインウエアを着るので準備に少々時間がかかります。
750ccの教習車に初めて跨った時は「やっぱデカイなー!」と改めて思いました。
車高は普段乗っているトランザルプよりも全然低いのですが、タンクの横幅や重量感がトランザルプとは全然違います。
乗り心地(ハンドリングなど)は違和感はありませんでした。
750ccの4気筒エンジンは非常にスムーズ。発進以外は2速ギアでオートマチック車のように走れます。
前半は教官の先導でコースを周回しました。「早くコースを覚えてねー!」と言われますが、まだそんな余裕はありません。
そんな事はお構い無しに教習は急ピッチで進み、後半は一本橋(狭路走行)、スラローム、坂道発進の練習も加わりました。
これらの課題走行については、以前に「安全運転講習会」でみっちり練習しているのでまぁ問題は無し。但し、坂道発進の後の頂上での安全確認は忘れずに。
初めて借りた長靴とレインウエアは穴が開いていて下半身はビチョ濡れでした。
次回はレインウエアをしっかり選んで着よう…。
第一段階 その2

一時間休んで、キャンセル待ちでもう一時間乗りました。
天気は同様に雨。待っている間に一番良さそうなレインウエアに着替えておきました。長靴は左右でサイズ違いでしたが、濡れるよりはマシってもんです。
雨は強くなってきましたが、休憩中にコース内容をしっかり覚えてから望んだので気持ちに余裕が出来て、運転操作等に集中する事が出来ました。
練習内容は前回と同じ。但し教官の先導はありません。
5台位ある750ccの教習車は、どれに乗るかは自由。前回とは違う教習車に乗ってみました。
多少乗り味が違いましたが、どの教習車でも乗りこなせるようになっておかないと卒業検定も自信を持って望めないと思い、教習車の違いは以降も気にしないようにしました。
一段階は一日に2時間まで教習を受ける事が出来ます。
乗る前は「もっと何時間も乗りたい」と思いましたが、実際には目一杯神経を使って練習するので、2時間も走ったら結構疲れました。
平日は教習のキャンセル待ちが容易に取れるらしいので、翌日の予約はせずにこの日の教習は終了しました。
第一段階 その3

季節はずれの台風が接近してきて、前日よりも更に雨は激しくなってきました。シールドの無い「貸ヘルメット」(写真)を利用していた女性生徒は「お化粧がメチャクチャ…」と嘆いてました。お気の毒に…。
こっちは前日の雨の教習で体が濡れてしまった事の反省を踏まえて、今日の雨対策は完璧!気合も十分!
前日の教習と同様にまず外周路を何周か慣熟走行した後、一階のコースへ一旦移動して、8の字走行やUターンをしてしばらく体を慣らすのですが、結構な小回りをいきなりやらされるので、基本が出来ていないとキツイです。
「出来て当然」という感じで教習はどんどん進んでいきます。
さて、2階のコースに戻ってきてから本格的な教習に入ります。
この雨のせいなのか平日の朝だからなのか、教習を受けているのは自分の他には小型二輪が一人、普通車が2台程度でした。
コースが渋滞しないのでたくさん練習できました。

重点的に練習したのは「スラローム」と「一本橋」で、昨日の教習で覚えた「Aコース」と呼ばれる道順を周回ながら練習を重ねていきます。
大型二輪免許を取るためには、スラロームは7秒以内、一本橋は10秒以上で通過する必要がありますが、この時点で特に問題はありませんでした。
ちなみにこの一本橋と呼ばれる狭路走行、125ccの免許なら5秒以上、400ccの免許なら8秒以上のところを、大型二輪免許は10秒以上持ちこたえなければなりません。
以前に頻繁に通ってた「安全運転講習会」では、30秒以上を目標に練習していたので、教習中の一本橋の成功率は100%でした。(ちょっと自慢)
第一段階 その4
二輪の教習を受けているのは自分一人だけでした。何といっても台風接近中ですから。
四輪車の教習が3〜4台に増えましたが、ま、その程度です。
今回から新たに「Bコース」と呼ばれる道順での練習に入りました。今まで練習してきた各課題の練習だけでなく、コース走行上のコツも練習しました。

例えば坂道発進の場所や踏切の手前では、自分の前に他の車両が居る場合と居ない場合とでは、安全確保のために走り方を変える必要があります。
つまり、ある程度先を読みながら走らなければならない、という事です。
卒業検定の時にどういう状況になるかは、運次第(?)
けど、実際の公道走行での安全を考えたら甘えてはいられないんですよね…。
一段階その5(見極め)
台風は去ったものの台風一過の晴天とはいかず、ついさっきまで小雨が降っている状態でした。路面は水浸し。
レインウエアは必要無さそうな天気でしたが、靴のブーツが濡れては困るので、長靴を借りて教習に望みました。
今回は第一段階の「見極め」という事で、第二段階に進むためのちょっとした試験です

パイロンスラロームを7秒以内、一本橋を10秒以上で通過できるかどうかを見極められるわけですが、いつが本番だったのか良く分からないまま、とにかく合格していました。
(こんなところで不合格になっては沽券にかかわる)
第二段階 その1
教習は順調に第二段階に進み、ここからは新たな課題走行として「波状路」が加わりました。
これは大型自動二輪だけの課題ですが、以前通っていた「安全運転講習会」でトコトン練習していたので、いきなりやらされても何も注意されずに済みました。(割と得意)
ただし波状路へ向かう助走区間が殆ど無く、鋭角に右折した直後に立座姿勢で波状路走行に入るので、ここのバランス取りに気を遣いました。

周回コースは新たに「Cコース」と呼ばれる道順で練習する事になりました。これは今まで練習してきた「Aコース」と「Bコース」を合わせたコースで、2種類用意されている卒業検定のコースの一方でもあります。ただしこの時点では短制動の課題はまだ習っていないので省略して走ります。
第二段階 その2
ついに晴れました!今回の教習で路面が乾いているのは、教習7時間目にしてこれが初めてです。
土曜日でしたが、幸いキャンセル待ちだけで朝の2時間を連続で乗ることが出来ました。
しかしやはり土曜日。コース上は他の教習者で一杯で、各交差点では渋滞。周回はあまりこなせませんでした。もしも週末だけ教習所に通うとなると、あまり練習は出来そうもないです。
今回から新しい課題として短制動が加わりました。40km/h以上で走行し、指定場所からブレーキをかけて7m以内で止まらなければなりません。要するに「急ブレーキ」の事です。
普段乗っているオフロードタイプのトランザルプと比べて、ロードスポーツタイプの教習車CB750Fは、車体が重い割にはブレーキが強烈に効くので、少ない握力でギュギュッと止まれます。
ところでこの短制動を行う場所ですが、壁に向かって走っていく事と、路面が転倒の痕跡で結構荒れているので少々プレッシャーがありますが、ビビってはいけません。
でも最初うちは、つい指定場所よりも手前でブレーキをかけてしまい、納得いく制動が出来たのは何回か練習した後でした。

体験として排気量の小さい400ccでの短制動も一回やらせてもらえました。これは、大型オートバイが重くて止まりにくい事を身をもって体験する目的との事ですが、なるほど、750ccに乗った直後の400ccはとても軽く感じました。
(写真は教官です)
第二段階 その3
連続の2時間目。
ここまでで練習した全ての課題(スラローム、一本橋、波状路、短制動)を織り交ぜてCコースを周回しました。いよいよ卒業検定に向けた練習に入りつつあるわけです。

たまたま教習車両が足りなかった関係で、検定の際に実際に使用する車両で練習する事が出来ました。つまり卒業検定と同じ環境で周回したわけですが、もしも今日が実際の検定だったら絶対不合格!という有様でした。
今までなかったミス(交差点を曲がる時のフラツキ、速度の出しすぎ)や、車間距離の詰めすぎ等のオンパレードで、ちょっと自信喪失気味。とほほ。
検定まで実地練習は2時間。ちょっと不安になってきたなー。
挙句の果てには担当外の教官から「クセのある乗り方だな、このオートバイに合わせた乗り方をしなきゃダメだ」とダメ押しされる始末。
後でその意味を聞いたら、「パイロンスラロームの時にオートバイを泳がせている」との事。つまりもっとメリハリを利かせて通過させないと規定タイム内で走れない、という事なのです。
指摘された点に対しては自覚とその理由があるので、目からウロコが落ちる事はありませんでしたが、ここで免許を獲得するためには教官の言われた通りに出来なければならないわけで、次の課題となりました。
指摘して頂いた教官には感謝、であります。
第二段階 その4
予約の都合で暗くなってからの教習となりました。
夜間練習のデメリット、それは平日でも人が多い、って事です。
大型二輪は自分を含めて2人だけでしたが、普通二輪は7〜8台はいて、四輪もたくさん。コース上は渋滞気味でした。

この日は新しい周回コース(ふぇぇ、まだあるのかよ…)を教官の先導付きで教えてもらった事もあり、先導無しで練習したのはわずか2周という有様。
全〜然練習になりませんでした。
この新しい周回コースか練習のCコースのどちらかが卒業検定のコースになるのですが、どちらになるかは当日発表なので両方覚えておく必要があります。
ところで、卒業検定の経験者にその様子を聞いてみました。そしたら、検定当日は練習無しで「ぶっつけ本番」らしいのです。つまり、クラッチとかブレーキとか個々の車で微妙に違うクセを確かめる猶予がなく、いきなり本番を走らされるわけです。
全員が同じ条件なので文句は言えませんが、こっちは検定用のコースすらまだ覚えていないので、一抹の不安を感じずにはいられませんでした。
第二段階 その5(シミュレーション)

この時間は実車走行ではなく、シミュレーターを使った危険予測の訓練です。シミュレーターは一見するとゲーム機のように見えます(写真)が、内容はヒヤッとする事ばかりなのでちっとも面白くはありません。
二輪車は路上教習が出来ないので、こういう教習を行うのだと思います。
このシミュレーター、操作が不適だとちゃんと(?)エンストやノッキングして、忠実に再現されている部分もあるわりには、ハンドリングやブレーキの感覚は実車とは全く違うので、真っ直ぐ走るだけでも一苦労。
でもこの教習はあくまでも危険予測が目的なので、どんなに下手クソな操作でも、この時間に限り叱られる事はありません。自信を持って望みましょう!
シミュレーターでの世界では、無茶な追い越しや発進停止をする車はたくさんいるし、子供は飛び出してくるし、カーブで車ははみ出してくるし、もう大変な世界(汗;)
こんな無秩序な街には住みたくありませんっ!
5分程度のコースを二人で3種類ずつ(計6種類)を体験しました。
幸い、殆どの危険パターンを事前に予測できたので事故にはなりませんでしたが、これは「絶対何かあるぞ!」っていう心構えがあるから出来たようなもので、普段の運転では完璧に出来たかどうか…。
かといってシミュレーションで出てくる危険な状況は、実際にあり得るものばかりだったので、非常に勉強になりました。
もう一人の生徒さんは3回ともこの仮想世界で事故をおこしていました。くわばら、くわばら。
第二段階 その6

天気は小雨。けど、もう雨でも何とも思わなくなりました。
初めて朝の一時限目(8:40〜)に出てみました。生徒が少ないので教官とマンツーマンです。
本来なら練習用のCコースを自分で周回して仕上げていくところらしいですが、マンツーマンなので、卒業検定用のコースを2周走ってコツを伝授して下さる、との事。
おぉぅ!早起きは三文の得なり。
全般的に大きな問題は無いが、短制動の助走速度が速過ぎる(>50km/h)という指摘を受けました。
実はこの速度超過は毎回言われていたので、今回はスピードメーターをしっかりと確認してたつもりなのに、まだ速いとの事。ムムム…。
(検定では速度を超過していても指定範囲内で停止できればOKです)
朝の教習はコースが空いていて非常によろしい。思う存分に仕上げる事ができました。
今日が卒業検定なら絶対に合格!という手応えがありました。
第二段階 その7(見極め)
一時間ほど間をおいて、いよいよ最後の教習の時間になりました。
卒業検定を受けるための技能を修得できているかどうかが「見極め」られるわけです。つまりここで合格しないと卒業検定を受ける事は出来ません。
雨は多少強くなってきましたが、今回の教習では雨の方が多かったので、もう気になりません。

卒業検定で用意されている2種類のコースのうち、一方のコースを練習として2周走った後、もう一方のコースを走って技能を見極めてもらいました。
短制動の練習中に、しかも濡れた路面で前輪がスリップするアクシデントもあったりして、ちょっと冷や汗をかきましたが、本番中は優先判断も的確に出来て上出来だったと思います。肝心の結果は「合格」 ほっ。
さ〜て!次はいよいよ卒業検定です。
この日は調子が良かっただけに、この勢いのまますぐに検定を受けたいところでしたが、予約が結構埋まってしまっていて、受験は3日後の予定になりました。
卒業検定では、練習無しでいきなり本番らしいので、ちょっと心配〜。
けれど今日の調子を本番でも発揮できれば、合格出来るはず。
あとは技能面ではなく精神面の勝負です。
卒業検定
ついに卒業検定の日がやってまいりました。天気は快晴。
2日間練習していなかった事と転職休暇の残りが無くなった事で、緊張に拍車がかかります。
「実力が出せれば絶対に合格できる」と自分に言い聞かせて、何度もイメージトレーニングをして待ちました。
検定用の走行コース(=各課題の順番)は、二種類が用意されています。ある教官からは「大抵は、スタート直後に進路を変えて右折しなければならない2番目のコースの方が採用される事が多い」と言われていたのですが、実際は1番目のコースでした。
この日、二輪の検定を受けたのは自分を含めて5人。大型1名、普通3名、普通(小型)1名で、普通と普通(小型)にそれぞれ女性が1名ずつ、という内訳でした。
検定は教習の昼休みを利用して行われるので、コース上には検定中の二輪車1台と四輪車3台位しか走っておらず、普段の教習の時よりも交差点などで鉢合う可能性が低いので、その点は楽でした。
二輪の検定を担当する教官は1名なので、検定は1名ずつ順番に行われます。何となく覚悟はしていたのですが、自分が1番でした。

四輪車の検定なら教官は助手席で採点しますが、二輪車の場合はオートバイに乗った教官が、走りながら燃料タンクの上に張った採点用紙にメモを付けながら採点していました。
走り出してしまえば結構落ち着いていたと思います。走行中で思い当たるミスと言えば、自分が優先道路だったのに進路を譲ってしまった事が1回あったのと、コースを間違えそうになって余分な進路変更をした事くらいです。どちらも大きな減点にはならないはずなので、走り終えた後は「多分合格だな」という実感がありました。
約1時間後に結果発表。見事「合格」でした。
試験に合格する、ってのは久しぶりに味わいましたが、本当に気分が良いものです。
その後、卒業証明書(=卒業検定合格証明書)が交付され卒業です。
この卒業証明書を免許試験所に持参すれば正式に免許証が交付される事になります。
次の就職までに残っている平日休みはあと1日。ギリギリセーフで無事完了しました。ホッ。

