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大型自動二輪免許 取得体験談

大型二輪

転職に伴う約2週間の休暇を利用して、2004年10月末に大型自動二輪免許を取得しました。
「超難関」と言われた一昔前に比べて、随分と取得しやすくなったと言われる大型自動二輪免許ですが、その実情はいかに?

目次(クリックするとこのページの各項目へジャンプします)

  1. 免許制度について
  2. 免許所得までのエピソード
  3. 教習所
  4. 教習時間の比較
  5. 教習の実施内容(レポート)
  6. 免許証の申請手続き
  7. あとがき

免許制度について

免許制度の変移についてちょっと復習を。

昭和40年〜
(1965年〜)
昭和47年〜
(1972年〜)
昭和50年〜
(1975年〜)
平成8年〜
(1996年〜)
排気量
400cc以上
二輪 自動二輪 自動二輪
(限定無し)
大型自動二輪
排気量
400cc未満
自動二輪
(中型限定)
普通自動二輪
排気量
125cc未満
自動二輪
(小型限定)
普通自動二輪
(小型限定)
排気量
50cc未満
原付

注釈;排気量 について
一般的に「400ccのオートバイ」と言うと、実際の排気量は400cc未満になっています。例えば愛車のトランザルプ400Vの実際の排気量は400ccではなく398ccです。
上表以外の文章では、「普通自動二輪免許は400ccまで乗れる」という解釈で記述します。125ccも同じ解釈です。
「排気量」はエンジンの中のガソリンを燃やす部分の体積の様なもので、いわゆるエンジンが大きいか小さいかを表します。

その昔は簡単な技能試験で大型二輪車に乗れる免許証の取得が可能でしたが、私の時代は、大型二輪の事故多発や暴走族の台頭に対処するために、400ccより大きいオートバイに乗れる「自動二輪免許(限定無し)」の技能試験は「超難関」と言われ、10〜20回も受験してやっと合格するのがザラ、という状況でした。
また、この免許だけは教習所に通っても取得できず、平日に免許試験所で技能試験を受けなければならないので、免許証を取得するのが最も困難だった時代だったと言えます。

その後、アメリカが「日本で外国製の大型二輪車が売れないのは、日本の免許制度が厳しすぎるからで、日本は免許制度を緩和すべきだ!」と主張し始め、これに対して行政当局が、大型自動二輪免許を教習所で取得できるように法改正する方向に動いた(但し18歳以上)という経緯があったのは、よく知られている事です。

免許所得までのエピソード

中型限定

400ccまで乗れる免許証(当時:自動二輪の中型限定)を所得してから、約6年は125ccに乗り、その後400ccに乗って更に13年近くが過ぎました。
400ccでも特に不満はないのですが、大型二輪免許が以前よりも取得しやすくなった事や景気の理由等で、400cc以下が以前のような多種多様では無くなってしまい、自分にとって魅力のある車種が無くなってしまいました。


普通自動二輪

そこで次の買換えの時に備えて、転職で休暇が取れたこの機会に取得しておく事にしました。

実は平成6年にも、この免許の所得を試みた事があります。
この時はまだ免許試験場で実技試験(平日のみ)を受ける必要があったわけですが、何度も会社を休めないので、土日に練習するために教習所に入所しました。
しかし教習所が遠くて最後まで通いきれず、試験場には一度も行かずに途中で断念していました。(費用は一括で教習所に支払い済み。嗚呼、もったいない…)

今回は2週間(=平日10日間)の休暇があったので、10回以内の受験で合格すれば教習所に通わなくても免許を所得する事が「いちおう」可能だったわけです。
受験手数料は一回¥6,150なので、仮に10回で合格すれば教習所の半額で免許が取得出来る計算になりますが、ちゃんと練習して確実に取りたかったので、教習所に通う方法を選びました。
家計に大きな影響を与えてしまったけれど、理解してくれた妻に感謝、感謝…。


教習所

国際教習所

今回は、過去の反省を踏まえて自宅から最も通い易い教習所を選びました。
自宅から電車で一本、駅からも徒歩で行く事が出来て非常に便利でした。


2Fコース

教習コースは2階建てなので、1階なら雨天でも濡れずに済むかも…、と期待したのですが・・・。

1Fコース

二輪の教習は慣熟走行を除いては天候に関わらず2階のコースで行われました。…人生、そう甘くはないのです。


CB750FK

大型二輪用の教習車はCB750F(HONDA製)です。
普段乗っている400ccのトランザルプの方が車体寸法(カタログ値)は大きいのですが、実際に乗ってみるとやはり排気量の大きいCB750Fの方が「圧倒的な重圧感」のようなものを感じます。

全長 全幅 全高 軸距 シート高 重量 馬力
CB750F 2.155m 0.780m 1.100m 1.495m 0.790m 233kg 75ps
トランザルプ 2.265m 0.875m 1.310m 1.510m 0.850m 201kg 37ps

750ccの教習車に乗った後で再び400ccのトランザルプに乗ると、「エンジンの調子が悪いんじゃないか?」って思う位に力の差を感じます。それもそのはず、教習車は4気筒750cc、トランザルプは2気筒400cc。教習車はトランザルプのエンジンを2台積んでいるようなものなのです。

雨具

(おまけ)全11時間の実技教習のうち、台風の影響もあり8時間が雨でした。
レインウエアとゴム長靴は自由に借りることが出来ますが、中には穴の開いた長靴などがあるのでよく見て選ばないと、悲しいメに遭います。


教習時間の比較

大型自動二輪免許を取得するために必要な技能教習の時間数は、既に所得している免許証の種類によって下表の通り異なります。
私の場合は普通二輪免許を取得していたので、この中では最少の技能教習でした。
キャンペーン価格が適用されたので、入所時の実際の費用は¥126,480でした。

普通二輪持ち 原付持ち
免許無し
普通二輪持ち
(小型限定)
普通四輪持ち
適正試験 1 時間 1 時間 1 時間 1 時間
第一段階 5 時間 16 時間 9 時間 14 時間
第二段階 7 時間 20 時間 11 時間 17 時間
卒業検定 1 時間 1 時間 1 時間 1 時間
合計 14 時間
(¥143,110)
38 時間
(¥291,900)
22 時間
(¥175,870)
33 時間
(¥222,600)

この教習所では、「免許無し」でもいきなり大型自動二輪免許にチャレンジできますが、この場合はなんと、技能教習だけでも最低38時間を受けなければなりません。(学科教習は別です)
こうやって考えると、運転免許を取るのって簡単な事ではない事が改めて分かります。

教習の実施内容(レポート)

教習の進行内容は下表の通りです。
詳しい教習内容のレポートは別のページにまとめました。
レポートの内容を最初から順に見る場合はこちらからお入り下さい。
途中から見る場合は、下表の見たい項目をクリックするとその場所へジャンプします。

 
月/日 コメント
適性試験 10/18 運転者として適しているかどうか?…の試験
技能教習
第一段階
その1 10/19 いよいよ750ccのオートバイで練習です♪
その2 コースを覚えたので多少の余裕あり。
その3 10/20 本降りの雨の中、一本橋とスラロームを重点的に練習。
その4 法規走行も忘れずに。
見極め 10/21 一本橋とスラロームが正しく走れるかどうか。
技能教習
第二段階
その1新しい課題の「波状路」と新しいコース。
その2 10/23 初の晴天。ひたすら制動の練習。
その3 卒業検定に向けて、総合練習の開始。
その4 10/25 さらに新しい検定用のコースで練習。
その5 仮想世界での路上教習で危険予測の訓練。
その6 10/26 空いている朝の教習で卒検に向けてじっくり仕上げ。
見極め 卒業検定を受ける技能があるかどうかの「見極め」
卒業検定 10/29 いよいよ本番!2日間練習してないのでちょっと不安…。


免許証の申請手続き

卒業証書

教習所の卒業検定に合格した後は、この卒業証明書を持って申請するだけです。
公認の教習所を卒業しているので、免許試験場で実技試験を受ける必要はありません。また、既に他種の免許証を取得しているので学科試験も不要です。ただし、手続きが出来るのは月〜金曜日の平日9:30〜16:00のみです。

費用は¥3,850でした。(証紙¥2,100+交付手数料¥1,700)
申請書と卒業証明書を提出して視力検査と顔写真の撮影が終われば、約1時間で新しい免許証が交付されます。

あとがき

一昔前とは違い教習所でこの免許証が取れるようになったわけですが、教習所を卒業する際に免許試験場と同等の技能試験をパスする必要があるので、一概に「簡単になった」という事ではありません。
技能試験の内容は練習を重ねれば決して難しいものではないと思いますが、技能試験はその日の「一発勝負」なので、自信を付けてから望むにはそれなりの練習が必要になります。
ただもちろん、免許試験場で慣れないコースと車両で「ただ受験する」よりは、教習所で「練習してから同じコースで受験する」方が確実に取得しやすい、という事です。
そのための教習所なので、当たり前の事なのですが改めてそう思いました。

私の場合、400ccのオートバイで警察主催の安全運転講習会に何年も通った経験が、 今回の免許取得に対して非常に功を奏しました。
これらの安全運転講習会は車両持込で費用は¥0〜¥200程度ですから、これから免許取得を志す人で既に車両を所有している人には、安全運転講習会は絶対におススメです。


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