

クラシックギター
「何か楽器が演奏できる人って格好いいなぁ〜」という憧れは漠然とありました。
例えば「実はボク、ギター弾けるんです」なんて、格好イイじゃないですか。
「ジャカジャーン♪」とコードを弾きながら知ってる曲を歌ったりなんかして…。

そしたらギターを貸してもらえる事になったのです!妻のお父さんから。
しかも弦やペグはわざわざ新品に交換してくれて。(深謝!)
貸してもらったギターは、この松岡良治氏作のM20というモデルです。
でも実は、特にクラシックギターをやってみたい、と思っていたわけではないのです。
…というか、「エレキギター以外のギターは全部同じ」と思っていて、クラシックギターという存在すら分かっていませんでした。
だからこの「エレキギターではないギター」を貸してもらってから、初めて(あぁ、これはジャカジャーン♪と弾くギターではないのか)と知ったのです。
という事で、予備知識はゼロ、曲も知らない、音符も読めない…。
わざわざ貸してもらって、義父上に対して中途半端に引き下がるわけにもいかない!
…でもこの状況、結果的には良かったです。
自分で買ってたら、こうして1年も続かなかったかも。(笑)
実際、楽しんでやってます。
クラシックギターとフォークギターの違い
ではまず、当初は知らなかったクラシックギターとフォークギターの違いから。
一番簡単な見分けは、弦の張力を調節するヘッド部分の形でしょう。
弦を巻き取る「軸」が、この写真のように横方向になっています。
フォークギターはこうはなっていません。
弦の材質ですが、この写真の右3本はナイロン製です。
フォークギターはこれが金属製なので、きっと音質も違うと思います。
弦の端を結んでいるこの部分の構造も違います。
弦を指で押さえるこの部分(指板)も違っていて、フォークギターより少し幅広で平らになっています。これにより弦を一本ずつ弾くのに向いています。
フォークの方は「ジャラーン♪」と和音を出すのに押さえやすい形になってます。
弾き方の基本思想が違うので構え方(体勢)も違います。
ピックは使わず、指(爪)で弾きます。
フォークギターのように肩からぶら下げて弾く事もしません。
演奏方法とその仕組み
右手で弦を弾いて音を出して、左手で指板上の弦を押さえて音階を変える、という程度は分かっていましたが、やってみると「へぇ〜、そうなのか」と思った事がいくつもあります。
まず音を鳴らす方の、右手の基本はこうです。
6本の弦のうち低音側の3本を概ね親指で弾いて「伴奏」を弾きます。
高音側の弦3本は、人差指、中指、薬指で弾いて「旋律」を弾きます。
こうする事で伴奏と旋律を「同時」に演奏できるのです。(なるほど)
次に左手ですが、指板には突起(フレット)が並んでいて、目的の位置のフレットに弦が当たるように指で弦を押さえます。(拡大写真の○印)
押さえるフレットの位置が1つ隣になると、音が半音変わります。
指板上には押さえられるフレットが12列あります。
音程1オクターブ(ドレミファソラシド)は「半音が12個分」なので、1本の弦で1オクターブ分の音階が変えられる事になります。
さて、フレット12列に対して弦は6本です。
…という事は6オクターブの音程が弾けるのか、と思いきや、実際に弾けるのはその半分の3オクターブです。
何故かというと、隣り合う弦の音程は1オクターブ(半音12個分)ではなく「半音5個分」なっているからです。(ただし2弦と3弦の間だけは半音4個分)
つまり5列目のフレットを押さえると、押さえていない隣の弦と同じ高さの音になる関係になっているからなのです。(分かりますか?この理屈)
何だ?ややこしい…、と最初は思うのですが、考えてみるとフレット5列分って事は指は4本分。
(指で押さえるのはフレットとフレットの狭間だから)
つまり、同じ弦の上で指を横に移動させてフレット5列分以上を押さえるよりも、隣の弦に指を移動した方が、指板を握る手の位置は同じなので楽、という事なんだと思います。(へぇ〜)
練習あるのみ
例えばピアノとギターを比べると「複数の音が同時に出せる」という点が共通しています。
つまり伴奏と旋律を同時に弾くわけで、その点で演奏は難しいと思います。特に最初は。
しかもギターの場合はピアノと違って、「どの位置が何の音か」がとっても分かりにくい。
(これを執筆している時点で、まだ全然マスターしていない。。。)
そこでギターには、何指でどの弦の何フレットを押さえるかを示した「タブ譜」というのがあって、教本にはこの写真のように書かれているので、最初はこれで何とかなります。
とは言うものの、なのです。
このタブ譜は便利ですが、将来のレベルアップを考えると、普通の五線譜から直接読めるように練習した方がやっぱり良いそうです。(これは、まだまだこれから)
他にも最初は難しい事だらけ。ちょっと想像してみて下さい。
右手と左手を別々に動かすのはもちろんですが、まず利き手ではない方の左手の指を正確に動かすのです。しかも不器用な薬指も小指も、です。
また、右手の方は利き手とはいえ、視線は左手にあるので見て弾く事は出来ません。
これが楽譜を見ながらなんて、まだまだとても。。。
弾く指が6本あれば簡単かもしれないけれど。
これらの今は苦労している事は、いつかは「何で出来なかったんだろう」と思える日が来るのかもしれません。
だから今のうちに書き残しておこう。この苦労を。(笑)
1年が経ってみて…
だんだんと、その魅力が分かってきました。
まず、そもそも音色自体がとても心地良いですが、演奏者はギターを抱えているので、その音色が体内に響いてとっても気持ち良いのです。
また、伴奏と旋律の演奏が同時に出来るのも魅力に感じます。
実は中学時代に吹奏楽部でトランペットの経験があるのですが、これら吹奏楽器(管楽器)は基本的に一度に出せる音は一つです。
座る場所さえあれば、パッと手にとってチョっと練習できる、というのもいいです。
音量はもともと近所迷惑になる程でもなく、音が響かないようする事も出来るので、部屋で気軽にできます。
またこれはギターに限った事ではないですが、最初はどんなに頑張っても出来なかった事が、練習を繰り返す事でほんの少しずつでも出来るようになってくる事。
この、脳が学習していく感じ。これも楽しいです。
さて。
1日に10〜30分程度、見よう見まねで独りで1年間練習してたらどうなったか。
まず、楽譜を見なくても指の押さえ方を覚えた曲はたったの3曲。
しかもこれ、弾けるようになったという意味では無いのです。
左手の指の押さえる位置をパッと変える事がまだ出来ないので、曲が途切れ途切れ。
つまり、まだ他人に披露は出来るレベルではありません。謙遜ではなく。
1年経っても、まともに弾ける曲がまだ無いなんて。ちょっとトホホな気分。
だから。
やっぱり、ギターが弾ける人は格好イイ。
皆さんもどうですか?きっと楽しいですよ。

